きらきらEvery(仮)

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少年ハリウッド感想2022 第17話「僕は君のアイドルだから」

 初代と新生の交流においてとりわけ縁が深いのが、同じ「運気上昇担当・トミー」の2人だろう。

 トミーはトミー先輩(便宜上こう称する)の推薦で、大人気もやもや系刑事ドラマの番外編に出演できることになった。初めてのドラマの現場で、そしてトミー先輩のコネでキャスティングされたという負い目。肩を落とすトミーに、トミー先輩は「アイドルは君の武器だよ」だと言って、優しく励ますのかと思いきや、「たいした演技力もないくせに、ドラマや映画にぽんと出られたりするもんね」と辛辣に続けた。そして、「君が少年ハリウッドじゃなかったら、僕は推薦してない。それってすごいことだろ?」とも。

 アイドルの力を、人気俳優の後輩だという立場を、負い目でなく武器に転換するこの考え方が好きだ。運命も、必然も、偶然も、すべてひっくるめて、自分のものにする。今のトミーにはまだ、その力をすべて受け入れることができないとしても。

 「一生アイドルでいるのは無理なんだよ」

 とりわけ「少年ハリウッド」に思い入れが強いトミーの前には、度々、アイドルとしての現実が突きつけられる。その現実に胸が痛んでも、トミーは目をそらすこと無く、憧れのトミー先輩に「永遠にアイドルでいる」と宣言する。まるで、自分に言い聞かせるように。現実の中で、流れる時間の中で、叶わない願いだと知りつつも、永遠を志す決意。トミー先輩は、その決意を応援すると答えてくれた。「だって僕は、君のアイドルだからね」

 「一生アイドルは無理なんだよ」と、先に語った言葉と矛盾しているように思えるけれど、そう口にしたトミー先輩の中にも、きっと永遠を願う気持ちが、あの日からあり続けたのだと思う。そして、トミーの中に、自分を輝かせる光を見つけた。その光に照らされて、かろうじてアイドルでいられる自分に気づいたんじゃないだろうか。

 この後も繰り返される「永遠」と「アイドル」というテーマ。その1つの答えが見えた気がした。