きらきらEvery(仮)

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少年ハリウッド感想2022 第23話「正しさと正しさの狭間で」

 初代少年ハリウッドの中で、誰よりも解散に否定的だったシーマ。そのシーマが再び、ハリウッド東京に現れる。シャチョウに「ハリウッド東京をちょうだい」と、告げるために。

 まるで悪役のように登場するシーマだけれども、彼の言うことも客観的な正当性がある。彼ら五人を「少年ハリウッド」というグループ名を与えたのにはシャチョウのロマンチシズムが多分に反映しているからだろうし、あの日永遠にするために幕を引いたはずの世界が、自分のあずかり知らぬところで生まれなおしていたとしたら。

 もちろん、シーマも現実的か否かと言えばそうでもなく、経営プランを語ると同じ口で、初代メンバーをもう一度ハリウッド東京に集めて…と言うくだりでは、テッシーに「そんな絵空事」と眉を顰められてしまう。

 やり方は違うとしても、シャチョウとシーマの2人が「少年ハリウッド」を特別に、深く強く想っているのは確かだ。新生メンバー5人も、だからこそ戸惑う。

 そんな中、「シーマの力添え」でキャッスルリゾートのクリスマスイメージキャラクターに選ばれた少年ハリウッドは、CM撮影の日を迎えた。誰もが見通しの悪い先行きに表情を曇らせる中、早朝の寒々とした空気にキラの明るい声だけが響く。それに対して、いつもになく声を荒げたのはトミーだった。

 人と争うことが嫌いで、誰かと誰かが争うことも苦手で、いつもメンバー内で諍いがあれば、それを止めに入ってくれたトミー。そんな彼が誰かと対立してまでも自己主張をするのはおそらく初めてで、だからこそ見ているこちらの胸も痛んだ。それに対し、「仕事」としてのプライドと礼節を語るキラも正しい。

 その裏で、シャチョウはシーマと握手を交わし、ハリウッド東京を去る姿が描写された。この時、シャチョウが一体どういう気持で、どういう意図があってこんな行動を取ったのかは今もまだわからないのだけど、今後の展開はシャチョウの思い描いたとおりだったのだろうか。それとも彼らの力を、そしてシーマを信じての賭けのようなものだっただろうか。