きらきらEvery(仮)

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少年ハリウッド感想2022 第13話「僕たちは、永遠に生まれなおせる」

 まるで嵐の前のように、けれど年末の喧騒で心がざわめくように、その気持ちの昂りをそっと隠すように、ファーストライブを間近に控えた5人の日常。

 幼い頃から「子役」として両親、特に母親の期待を受け、「僕の居場所はここにしかないんだよ」と、マッキーに語ったキラ。彼は与えられた「夢」を、自身のものとして受け入れ、育てていく強さを得た。

 かつて仲違いした仲間とのしこりを解消したマッキー。謎の技術による歌舞伎メイクがその手助けになったのは確かだろうが、そうでなくとも、マッキーの真っ直ぐな瞳できっと、仲直りできたに違いない。

 カケルに、劇場をサボっていた時の話を切り出され「もういいよ。今が全てだよ」と遮るシュン。アイドルよりもミュージシャンになりたいと、度々口にしていたシュンへ与えられた、「あなたは未来を見ないでください。あなたが見るべきなのは今です」という言葉。その言葉を、意味を忘却しているとしても、シュンの心は今、「今」を見ている。

 「ミィのライブに行きたい!」と施設の子供たちに言われ、複雑な表情を見せていたトミーの表情も晴れやかだ。自分たちのポスターを初代の隣に飾ろうと言われ、「よし、貼ろう!」と返事をしたトミー。幼いころから憧れ続けていたアイドル。少年ハリウッド。彼の手が、その憧れの端をつかむのはもうすぐだ。

 そしてカケル。少年ハリウッド五人の家庭環境で、一番フラットなのが風見家だ。両親がいて、きょうだいが一人。多くの人が描く「普通のおうち」で育ってきた彼は、自分のことを「普通」だと思っている。「普通」の少年が、「普通」に高校を受験して、「普通」の高校生になって、学校に通っていた。あの日、シャチョウに出会ってしまうまでは。

 カケルの父が口にする「普通」の何気ない言葉。いつもは聞き流してしまうようなその言葉がなぜか心に刺さったのは、カケルが成長したからなのか、それとも「普通」から「普通じゃないもの」「アイドル」に変容しようとしているからなのだろうか。

 風見家の中で一番ハッキリとものを言う妹の紗夏香の言葉は、父の言葉とは対象的に、矢のようにカケルに刺さる。そして的確だ。「ファンにはいろんな人がいるの。そこにいる人みーんなに声が届くようにしゃべんなさいよ。みんなに届かない声は、たったひとりにも届かないの」。こんなことをビシっと言ってのける紗夏香ちゃんも、誰かのファンなのだろうか。深い。

 そしてライブ当日。クリスマスイブ。聖なる日。HOLLYWOOD東京の聖なる木、ゴッド。少年ハリウッドという物語は、そのサブタイトルが示すとおり、シャチョウ=柊剛人(ゴッド)に捧げられた物語であり、同時に、ゴッドが人生を賭して繋いだ、新しいアイドルの誕生の神話だ。

 観客の待つステージへ踏み出す彼らは今日、生まれた。おめでとう、少年ハリウッド