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少年ハリウッド感想2022 第14話「永遠のど真ん中」

 そして、彼らの新しい、神聖な旅が始まる。1期が「アイドルになる物語」ならば、14話から始まる2期は「アイドルであるための物語」だ。

 2期のOPである「HOLLY TORIP」は、ハロー世界で開いた扉のその先、まさしくサブタイトルの「永遠のど真ん中」を歌った曲だと思う。明るくも、どこか切なさと神聖さを感じさせるメロディ。歌詞はもっと顕著だ。「幾千もの時が過ぎて 何もかもを忘れる日が来ても」「時計の針 痛み連れて来ても 大丈夫 運命は君にある 美しくて眩しいだけさ」

 時間は残酷で、けれどその過ぎる時間だけが彼らを美しくきらめかせる。「旅」にはいつか「終わり」がくることも、私たちは知っている。

 初めてこの歌詞を読んだ時、もしかして劇中で解散までが描かれるのでは? とハラハラしたことを覚えている。

 長めのCパート前のEDで挿入される初代のシーン。1期ではさほど深くは描かれなかった初代少年ハリウッドにも、この2期からはぐっと踏み込んでいくので、初代少年ハリウッドが主役の小説も読んでおくと、いろいろと味わい深い。

 13話のクリスマスライブから月日は流れ、季節は初夏。あれだけ「お客さんが入るのか」で不安がっていた彼らの劇場には、開場前から列が出来るほどにはファンが通ってくれるようになったようだ。1期と2期、現実でも放映の間に3ヶ月の時間があき、私たちの目に触れない場所で成長していた彼らとの再会はとても嬉しかった。少し見ないうちに成長していた親戚の子みたいなものでもあった。

 マッキーの体調不良や、それに伴うレコーディングの経緯など、ちょこちょことしたトラブルはあったけれど、彼らの活動は、概ね順調そうに見える。以前は初代のパネルだけが掲げられていたロビーにも、新生少年ハリウッドのパネルが飾られ、写真の5人の顔つきもしっかりしたように感じられる。顕著なのは、1話と対になるような自己紹介だ。あの日、与えられた自己紹介をわけもわからないままに演じた彼らとは全く違う。堂々と、自分の血肉として名乗る彼らの姿は、かけらも恥ずかしさを感じさないものだった。

 と、新しい旅の船出にふさわしいような、期待と希望に満ちた2期の第1話。とはいえこのまま順調に進むわけもなく……。でもまずは、この始まりを祝いたい。

 この回の中で、印象的なのがキラのセリフだ。「食わず嫌いは良くないよ。僕たちも、もっとたくさんの人たちに一度でも来てもらえれば、気に入ってもらえるかもしれないのにな」。これはそのまま、少年ハリウッドという作品をなんとかして布教したい、少ハリファンの心境そのものだ。もちろん、全世界の人に気に入ってもらえるとは思わない。ただ、まだ少年ハリウッドに出会っていない人の中には、彼らのファンになり得る人がたくさんいると信じているから。