きらきらEvery(仮)

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少年ハリウッド感想2022 第24話「まわりっぱなしの、この世界で」

 前回の不和を引きずりながらも撮影は続く。そんな彼らの前に投入されたのは、キャッスルリゾートのマスコットキャラクター・シロートくんだった。

 「いいかげんにしろ、この腐れアイドルども!!」

 およそテーマパークのマスコットらしくない奇天烈な言動に乗せられ、音声は入らないのをいい事に、メンバーはやけくそ気味に、笑顔で心情を吐露しあっていく。

 その言葉だけで捉えれば喧嘩そのものだが、笑顔と、コーヒーカップを回しながらというシチュエーションのシュールさが重さを感じさせない。何より、今まで各々が腹の底に貯めていたモヤモヤを発散する姿は、見ていて爽快ですらあった。

 相手に対する不満や、これからに対する不安を吐き出した後に見つけたのは、これまで見えていなかった自分たたちの望みだ。「ハリウッド東京に帰りたい!」「歌いたい!」「俺達は少年ハリウッドだ!」

 雨降って地固まるとまではいかなくとも、険悪なムードからは脱した翌日。いつものようにハリウッド東京に来たメンバーに告げられたのは、シャチョウに代わってシーマが社長になったという驚きの事実だった。

 そして数日。シャチョウは劇場に現れないまま、キャッスルリゾートのCM放送日を迎えた。「何か、俺ら楽しそうだったな」「本当は全然楽しくなかったのに……」カケルが、自身の持たない言葉で描かれたいつかの記事のように、TVの中で笑う彼らも、その時に持っていなかったものが、フィルムには映っていた。

 クリスマスライブというリミットを与えられた少年ハリウッドは、その居場所を守るための強硬手段に出た。大人を締め出し、ステージにあがる五人。突然の停電に見舞われ、ペンライトを一本ずつ客席に灯していく光景は、まるでクリスマス・イブのキャンドルサービスのようだった。光だけが見つめる中、彼らはその歌声をハリウッド東京に捧げた。