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少年ハリウッド感想2022 第10話「ときめきミュージックルーム」

 まさかの全編音楽番組回。同じキングレコードだからって、ミス・モノクロームまで出演するとは誰が予想しただろうか。本放送時はミス・モノクロームの新譜のCMが挿入されて、「少年ハリウッド」が私たちの次元に来てくれた! というメタな仕掛けもあり、CMさえも作品が私たちにかけた魔法のひとつのようだった。

 5話「エア・ボーイズ」の時にも思ったが、もし私がアニメに関わる人だったら、「よしこの回は音楽番組回にしよう!」と決断は出来ても、一秒も楽屋裏を描かないなんて決断できなかったと思う。さらに少年ハリウッドはまだ新人なので、Aパートで出番が終わってしまうのも潔い。

 作画やカメラアングルも見応えあり、何より本当に一本の音楽番組として成立しているので、少年ハリウッドを知らない人に布教するには最適の回かもしれない。

 ……ではあるのだが、本音を言えば、1話から9話を通してみてから、この10話にたどり着いて欲しいとも思う。アイドルじゃなかった、まだ何者でもなかった5人が、これまでの9話をかけて得たステージ。もちろんその陰には先輩である大咲香さんの力添えがあってこそなのだけど、コウさんだって何者でもない彼らのままだったら、力添えをしようだなんて思わなかったはずだから。今まで応援していたアイドルグループがとうとう、バラエティではなく、歌って踊るアイドルとしてテレビに出演するという得難い体験を、この回はさせてくれた。

 そしてこの回では、原宿ガールの高杉ちえりちゃんも登場。原宿ガールといえば、少年ハリウッドの原型ともなった作品で、ちえりちゃんも「32歳の女性がある日、17歳に間違えられスカウトされ、アイドルになる」という、シャチョウと同じ設定になっている。(などと書きつつ、不勉強なオタクなので、まだ小説を読めてはいない)

 トークでも喋らず、曲だけを披露してくれたちえりちゃん。その可愛らしい歌声は一体誰? と、エンドロールで中の人…もとい、ちえりちゃんのお友達名を確認するも、存じ上げない方で、早速検索をかけてみたら…杉浦弥代子=原宿ガールの主人公=高杉ちえりちゃん……なんという徹底ぶり。
 それでも、もしかしたら、などと、色々邪推をしていたけれど、ハリウッドファクトリーのホームページが開設されて、そこに高杉ちえりちゃんの名前があって、反省しました。ちえりちゃんはちえりちゃん。原宿ガールのメンバーのひとり。もうそれでいいじゃないか。