きらきらEvery(仮)

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少年ハリウッド感想2022 第9話「みっともない輝き」

 シュンがメインの回は、いつもヒリヒリとして、見返すのが少し辛い。それは多分、シュンがメンバーの中で一番、私に(もしくは私たちに)近いからじゃないかな、と思う。

 以前の感想でも書いたが、少年ハリウッドのメンバー5人は、みんながみんな「アイドルになる」という強い思いでそうなったわけではない。というか、厳密に言えばトミーでさえも「アイドル」ではなく「少年ハリウッド」に憧れていただけで、誰一人「アイドル」になりたいと思っていたわけではない。その中でもとりわけ、ずっと「アイドルよりも歌手になりたい」と主張し続けていたのがシュンだ。

 ひょんなことから少しずつテレビの仕事も入ってくるようになったが、バラエティを中心とした仕事は思い描いていた内容とは違って、自分の理想とのズレがどんどん大きくなる。なんだかんだ楽しそうそうに仕事をするメンバーをよそに、鬱屈した思いでシュンの表情は曇っていく。

 事務所に黙って受けた音楽事務所のオーディションでは、せっかく最終選考まで進んだのに、自作の曲を聞いてもらえることはなく、「あなたの一番のアピールポイントはどこだと思いますか?」「顔でしょ。その見た目」と、容姿の良さだけを褒められてしまう。ここでも本当に見せたい自分を見てもらえない。落胆の表情を浮かべるシュンだったが、私は(やっぱりシュンって、客観的に見てカッコいいんだな)と思ったりしてしまった。

 そんな悶々とした中で出会ったのが、初代少年ハリウッドで、今はシンガーとして成功している大咲香だった。「正直なったらどう? ホントは人気者になりたい、チヤホヤされたい、ああモテたい!って思ってるんじゃない?」コウとの出会いで、何かを一つ乗り越え、カッコつけずに「女の子にモテたい!」と口にするシュンが清々しい。

 そして、今の少年ハリウッドのみんなは気づいていないけど、彼らはみっともなさすら輝く年頃。それに気がつけるのはいつだって、その季節を越えたあとなのだ。