きらきらEvery(仮)

書き留めたいことを書く

少年ハリウッド感想2022 第8話「永遠の花火」

 3話の初代少年ハリウッドのエピソードと対になっている夏の合宿回。シャチョウから年内にライブ活動を始めると告げられ、今まで「外」(ファン・お客さん)に対してあまり向けられていなかった意識が、ようやく向けられようになる。七話までで「自身」と「アイドル」という内なるものを見続け、一歩踏み出した彼らの先に待っていたのが「外」の世界だったのだ。
 少年ハリウッド界におけるアイドル哲学がハッキリと、テッシーを通して語られる。多分この時の彼らには、それはまだ理解できないことなのだろうけど。だって彼らには、まだ向き合うファンも居なければ、ステージの上でアイドルを演じてもいないのだから。
 秘密を告白し合おうと言ったり、シュンのギターを伴奏にみんなで歌ったり、アイドルにはお約束の寝起きドッキリを仕掛けたり…十代の男の子たちはとても単純で、少しおバカで、とてもきらめいている。けれどそのきらめきをステージで見せるのは、そのきらめきを「永遠」にするのは、とても難しいことなのだ。
 そしてあの日、トミーが見た初代の映像のように、彼らは夢をビデオに収めていく。彼らの夢は、いつか振り返ったときに、どんなふうに映るのだろうか。そして、カメラマンを務めていたトミーの語る夢。「僕はね、ずっとみんなと歌って踊って、ずっと少年ハリウッドでいたいな」
 かつて、初代トミーが語った夢。そしてその映像を見て「叶ってないよ…」とトミーが呟いた夢。「永遠にアイドルは無理なんですよ」と、冷たい現実を突きつけられた夢。それでも、トミーは夢を語る。「ずっと少年ハリウッドでいたい」。三話で自身を「今日からトミーと呼んで」と言ったときから、もう彼の覚悟は決まっていたんだろう。彼は憧れの少年ハリウッドを超えて、少年ハリウッドを継いで、「ずっと少年ハリウッド」でいると───
 「僕たちは、叶えようね。初代が叶えられなかったことも、僕達の夢も、叶えようね」
その誓いが達成されるかは、まだわからない。わからないけれど、そうであって欲しいと願う気持ちが、彼らを永遠に近づけるのだろう。