きらきらEvery(仮)

書き留めたいことを書く

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

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近所の劇場での公開がもうすぐ終わってしまうので、TVシリーズを1日かけて鑑賞し、およそ半年分の涙を流した腫れぼったい目で映画館に行きました。その感想です。以下ネタバレあり。

 基本的に前情報など入れないで行くタイプなのですが、入場者特典(ポストカード)を見てしまいネタバレを食らうなど。おそらく公開からしばらくたっての特典だと思うので、リピーター向けだったのでしょう…まあそれは大丈夫です。

TVシリーズのギルベルト少佐が好きだったので、ヴァイオレットちゃんのためにも、もちろん生きていて嬉しいという気持ちもあるのですが、個人的な嗜好で言えば生存を確定させないほうが好みでした。本当に性癖なのでしょうがないのですけど、共通の大切な人を喪い、互いの傷をおそるおそる撫で合うような関係性が好きなので、TVシリーズ終盤でいきなりのデレを見せたギルベルト兄(ディートフリート大佐)とヴァイオレットちゃんの船のシーンなどは本当に好きです。だからこそ、ドラマが必要だったのは理解できるのですが、ギルベルト少佐の身の振り方が気になるというか…ディートフリート大佐が「麻袋に詰め込んでヴァイオレットの前に持っていきたい」と言ってくれたときは「そうだそうだ!!!」と心の中で応援上映開催でした。

あとこれも個人的な嗜好の話ですが、ギルベルト少佐とヴァイオレットの関係は、家族愛みたいなものなのだと解釈していたので、映画版は恋愛よりだった気がしてどきどきしました。結局どちらの解釈にも寄り添ってくれるものであったとは思うんですが…少佐の奥さんは話に少しだけ上がっただけで、結局は形だけの夫婦だったんでしょうか…原作ではもっと言及されているのかな。私もTVシリーズを見始めた頃は恋愛なのかなと思っていたのですが、5話でヴァイオレットの年齢が14歳前後と知ったのが、家族愛の解釈に傾いた大きな原因です。別に年齢差があるから駄目とかは思ってないんですが、疑似家族が好きなのでそう思いたいみたいなところがある。

ギルベルトがヴァイトレットちゃんにああいう態度をとってしまった描写ですが、もう少しギルベルト少佐側の視点で話があれば受け入れやすかったかもしれません。だいぶヴァイオレットちゃん視点で見ていたので、どうして会ってくれないのかの気持ちが大きすぎて、映画の尺に合わせた都合のように思えてしまった。文句ばっかり書いてしまってるようで申し訳ないですが、海で向き合って、ヴァイオレットちゃんが必死に言葉を口にしようとして、何度も何度も言葉に詰まってしまうところでは号泣しました。その後の2人のすべてを描かず、TVシリーズ10話で登場したアンの孫であるデイジーがその足跡を辿る構成はとても良かったと思います。

また、劇場版で新規登場したユリスくんも、彼自身のエピソードとして切なくも素晴らしいものであったのと同時に、ギルベルトとディートフリートという【兄弟】、そしてギルベルトとヴァイオレットという【大切に想うのに拒絶してしまった相手】を描いていて、ここもすごいなあと思いました。あとユリスくんの最後は大号泣で、家だったら声を出して泣いていた。子供の死はしんどいですよ…

泣きつかれてしまったので、外伝などは少し時間をおいて鑑賞したいと思います。映画館で見られてよかったです。